デクリプト


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『デクリプト』
3-8人、45分

魅力を三行で、

盛り上がるチーム戦
テンションの上がる装置
ひらめいた瞬間の喜び 

 

今回は『デクリプト』というワードゲームを紹介します。「デクリプト」とは、「暗号を解読する」というような意味です。ただしこのゲームはただ暗号を解くクイズのようなものではなく、自らが解かれない暗号を産み出し、また相手の難解な暗号を解く必要があります。

このゲームは2チームに別れて遊びます。ゲームの初めには4つのキーワードが各チームに渡されます。このキーワードを、味方には伝わり、敵には伝わらないように上手く言い換える(=暗号化する)ことがこのゲームの根幹です。ここで、まずキーワードを受けとるための装置がテンションを上げてくれます。

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4つのキーワードが書かれたカード。このままでは見辛いが…

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この装置にカードを差すと…?

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キーワードが浮かび上がる!

 

次に何のためにキーワードを暗号化するのかを説明します。

各チームの代表者は、1~4の数字の内3つが順番に書かれたカードを1枚秘密裏に見ます。この数字は先ほどのキーワードカードを差した場所と対応していて、代表者は自分だけが見た順番をヒントを出して味方に伝えます。

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順番を示すカード


このときヒントとしてキーワードそのものを順番に言えれば話は早いのですが、当然そうはいきません。ヒントを伝えるときは敵チームにも聞こえるように口に出します。そして敵チームもそのヒントを元に順番を予想するのです。敵にはできるだけ当てられないようにしなければなりません。

敵チームは4つのキーワードを知らないので、最初は仮にキーワードそのものを言われたとしても順番はわかりません。しかしこのゲームでは、順番を味方に伝えるこの一連の作業を繰り返します。また毎回正解がどの順番だったかも発表されます。つまりある数字に対応するヒントが積み重なっていきます。 ここで、ヒントとしてキーワードを上手く言い換える(=暗号化する)必要が出てくるわけです。

少し分かりづらいので例を挙げます。先程貼った画像のキーワードを配られた白チームの代表者が「1, 2, 4」の順番カードを見たとします。代表者はそれぞれを連想させるヒントとして、「キーボード=押す」「冷蔵庫=開く」「秋=芋」と言い換えました。

白チームメンバーは代表者以外で話し合い、見事「1, 2, 4」を当てることができました。

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代表者からのヒントとその正解のメモ

 

その後も白チームは代表者と順番カードを替えながらヒントを伝えていきます。すると相手の黒チームには各数字に対するヒントの紐づきの情報がたまっていきます。そうしていく内に、新しく発表されたヒントがどの数字のものなのか何となくわかるようになります。
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黒チームが取った白チームのヒントのメモ。1と2は過去のヒントからキーワード自体を推測し、見事当てている。

 

これまでこのゲームの肝が敵チームにばれないようなヒントを出すことだという説明をしてきました。実はこのゲームではヒントを出すチームと当てるチームに別れているわけではなく、同じターンに両チームがヒントを考え、互いに互いのヒントから順番を当て合います。そして相手チームの順番を当てた場合「成功チップ」を、自チームの順番を外した場合「失敗チップ」を獲得します。このようにして先に自チームが「成功チップ」を二枚獲得するか、相手チームが「失敗チップ」を二枚獲得すると勝利となります。

 

最後に実際のプレイで使われたメモを載せてみます。先程から載せているメモと同じゲーム中のもので、黒チーム側が出したヒントです。例えばここに黒チームが、「踏む、歯、冬」とヒントを出してきたら、正解の順番はわかるでしょうか?またキーワードはなんとなく推測できるでしょうか?正解はこの記事の最後に載せます。

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黒チームヒントのメモ

 

ワード系、連想ゲーム系で有名なボードゲームとして「コードネーム」というゲームがあります。こちらはこちらで非常に楽しく優れた点がいくつもありますが、「デクリプト」では「コードネーム」の欠点と思われる所を補うような点がいくつかあります。

  • 代表者が与えられるキーワードは4つのみで、しかもそれぞれのワードを言い換えるだけなので考えることはシンプルです。
  • 相手チームのヒント発表時にもゲームに参加できます。
  • 同一ゲームの中で代表者を回せるので、チーム感が増しヒントの出し合いが白熱します。

キーワードそのものは当てなくてよいので、相手チームの順番推測の時には雰囲気でどれかを話し合うこととなり、これが独特の面白さを醸し出します。逆に代表者はあるキーワードを多角的に見て、雰囲気を掴まれないヒントを考えるのが程よい緊張感です。

とにかくワイワイできること請け合いのゲームです。ちょっとした仕掛けの付いた衝立てもゲーム開始を盛り上げてくれます。ぜひ遊んでみてください。


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黒チームのキーワード(1からリス、メキシコ、毛布、車)。先程のヒントの答は、「4, 1, 3(=車、リス、毛布)」です。

 

 

Decrypto Board Game

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