比較レビュー スマートフォン株式会社とモバイルマーケット
結論から言えば、
スマートフォン株式会社:株式会社
モバイルマーケット:マーケット
です!
ふざけているわけではなく、実際にプレイ体験としてこのように感じるのです。比較うんぬんの前に、まず両ゲームともしっかり名前通りのプレイ感で、テーマがゲームに落とし込まれている点は素晴らしいです。当たり前のようで、難しいことです。
とはいえ説明不足なので本題に入ると、両者で違う点としては以下のような部分があると考えます。
スマートフォン株式会社:ランダム要素が少ない、マップがある、個人ボードがない、特殊効果が少ない
→盤面情報を整理しやすく、面白さが対人の読みあい部分に集中されている。
モバイルマーケット:ランダム要素が多い、マップがない、個人ボードがある、特殊効果が多い
→手元の能力改善に爽快感があり、戦略化していく面白さがある。
ここから少しふざけます。テーマの部分をより深く比較すると、それぞれ以下のような世界観が広がっています。
スマートフォン株式会社:世界全体で流通も含めコントロールする、顧客の顔が見えない、勝敗は自分の実力次第
→気分はまさに経営者。
他社の動向も全体を俯瞰して見て、自社戦略を最適化していく。
負けた時は全て自分で責任を負うが、報酬(最大の点数)も大きい。
客はおろか従業員の顔も浮かばないが、スティーブ会長のことだけは気になる。
モバイルマーケット:日々変化する現場の需要に対応していく、顧客も従業員も顔が見える、勝敗は時の運に左右されることも
→現場の責任者として四苦八苦する。
他社を気にしすぎても仕方ない部分があり、自社のアピールに力を注ぐ。
多様性のある人材を確保し優秀な技術を現場にもたらせる。
負けても上のせい、環境のせいだと愚痴れる。
真面目に戻ります。
ボードゲームを遊ぶ人の価値観は多様で、特にこの両ゲームのようなキャッチーなテーマ&1時間を超えるプレイ時間のゲームでは、比較の際にテーマ部分を重要視する方もいれば、ゲーム性を重要視する方もいると思います。どちらも特徴があるゲームで、いろんな方にとって楽しめるのではないかと思っています。
最後に非常に真面目に締めくくります。
ここまで両者の違いに注目してきましたが、共通していることとしてゲーム終了までみんなが面白いということが言えると思います。
値付けや競り合いがシビアなゲームでは、途中で勝敗がはっきりしてしまったり、終盤やることがなくなったりしがちという難しい課題を本質的に抱えています。この課題を特段変わった仕組みを入れることなく解決している両ゲームは、素晴らしいバランスと言えます。
その他にもスマートフォン株式会社では大きい点数オーダーの中でも接戦に落ち着くゲームバランス、モバイルマーケットでは決して相性が良くはない「競りによる対人の読みあい」と「手元の能力改善」というメカニクスの綺麗な融合、など、深堀りするとキリがないほどの魅力が詰まった両ゲームです。
(点数のキューブの置き方が間違っているが、)265 vs 256 vs 252という接戦だったスマートフォン株式会社のプレイ記録
最初に戻ると、両ゲームを遊ぶことでスマートフォン株式会社の経営者気分も味わえるし、マーケットの現場責任者の気分も味わえます。どちらもやりがいのある素晴らしい仕事(ゲーム)ですので、ぜひお試しください。
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