きらめく財宝(Funkelschatz)
『きらめく財宝』
2-4人、20分
魅力を三行で、
- 超簡単なルール
- 大人も楽しめるギミック
- お宝を集めて隠すワクワク感
ドイツ年間ゲーム大賞2018のキッズ部門大賞を受賞しました、「きらめく財宝」のレビューです。
キッズ大賞らしく、「子どもドラゴンたちが見つけた氷づけのお宝。ゲットするために炎で溶かそうとするも子どもなので力不足。そこでパパドラゴンに溶かしてもってお宝をゲット!」というかわいらしい世界観がとても素敵です。
ゲーム中では氷の柱に見立てた青いリングの層をステージ中央に設置します。このステージは、ゲームの外箱の底にタイルで組んだ足場の上にボードを乗せた立体的なものです。そしてその柱の中に5色の宝石を詰め込みます。
ステージの上に…
リングを重ねて柱を立て、宝石を入れる
各プレイヤーは4匹の子どもドラゴンの内1匹を担当します。そしてパパドラゴン(親)を1人ずつ回していきます。パパドラゴンの役目は氷を溶かすこと、つまりリングを外すことです。
リングを外すと当然中に詰まった宝石がステージに散らばります。これを子どもたちで山分けします。ここがこのゲームの肝となるポイントで、子どもたちはパパドラゴンが氷を溶かす前に、予め今回獲得したい宝石の色を決めておきます。パパドラゴンの左隣の人から時計回りで今回獲得したい(=最も多く落ちそうな)色を決め(パパドラゴン役の人も含む)、リングを外した後にステージ上に残った宝石の内自分が選んだ色を獲得します。色を決めるとき、既に選ばれた色は選べません。
パパドラゴンと4人の子どもたち
今回欲しい色を決めたあとパパドラゴン役の人が一番上のリングを外すと…
宝石がステージに散らばります
氷を溶かすとき、パパドラゴンはちょっとした工夫をすることができます。一番上のリングを外すことさえ守れば、外すときに力加減を調整して自分の色を多く落とすよう努力して構いません。また、画像をよく見るとステージにはいくつか穴が開いています。先程「ステージ上に残った宝石」と書いた通り、穴に落ちた宝石は獲得できません。この一応頑張る一工夫が意外に盛り上がるポイントです。選ばれなかった色の宝石は穴に入れておきます。
ステージに残った宝石。今回は黄色を選ぶのが最も良く、紫は最悪だった。
そして手に入れた宝石は自分の宝石箱に入れます。ステージの四隅には子どもドラゴンがそれぞれ刺さっていて、ステージの外壁との間に穴があるのでそこに獲得した宝石を入れます。これは自分の宝石をしまっておくワクワク感も産み出しますし、現在の点差を気にせずゲームを楽しく進められる良いギミックだと思います。
宝石はマイ宝石箱へ
リングを一つ外して宝石を配ったら、時計回りにパパドラゴンを回して次のラウンドが始まります。これを全てのリングが取り除かれるまで繰り返し、最後に最も宝石を集めたプレイヤーの勝利です。ゲーム終了時にはボードを上げて各プレイヤーの穴の中の宝石を数えます。これもドキドキ感があっていい感じです。
ゲーム終了時のボードの下。中央はステージの穴に落ちていった宝石。
キッズ大賞だけあって非常にシンプルなルールですが、子ども心をくすぐるような細かな仕掛けが随所に散りばめられています。また大人が遊んでも盛り上がるポイントもあり、大賞受賞も納得の作品だと思います。
ぜひ小さいお子さんと、友達と、遊んでみてください。