デクリプト


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『デクリプト』
3-8人、45分

魅力を三行で、

盛り上がるチーム戦
テンションの上がる装置
ひらめいた瞬間の喜び 

 

今回は『デクリプト』というワードゲームを紹介します。「デクリプト」とは、「暗号を解読する」というような意味です。ただしこのゲームはただ暗号を解くクイズのようなものではなく、自らが解かれない暗号を産み出し、また相手の難解な暗号を解く必要があります。

このゲームは2チームに別れて遊びます。ゲームの初めには4つのキーワードが各チームに渡されます。このキーワードを、味方には伝わり、敵には伝わらないように上手く言い換える(=暗号化する)ことがこのゲームの根幹です。ここで、まずキーワードを受けとるための装置がテンションを上げてくれます。

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4つのキーワードが書かれたカード。このままでは見辛いが…

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この装置にカードを差すと…?

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キーワードが浮かび上がる!

 

次に何のためにキーワードを暗号化するのかを説明します。

各チームの代表者は、1~4の数字の内3つが順番に書かれたカードを1枚秘密裏に見ます。この数字は先ほどのキーワードカードを差した場所と対応していて、代表者は自分だけが見た順番をヒントを出して味方に伝えます。

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順番を示すカード


このときヒントとしてキーワードそのものを順番に言えれば話は早いのですが、当然そうはいきません。ヒントを伝えるときは敵チームにも聞こえるように口に出します。そして敵チームもそのヒントを元に順番を予想するのです。敵にはできるだけ当てられないようにしなければなりません。

敵チームは4つのキーワードを知らないので、最初は仮にキーワードそのものを言われたとしても順番はわかりません。しかしこのゲームでは、順番を味方に伝えるこの一連の作業を繰り返します。また毎回正解がどの順番だったかも発表されます。つまりある数字に対応するヒントが積み重なっていきます。 ここで、ヒントとしてキーワードを上手く言い換える(=暗号化する)必要が出てくるわけです。

少し分かりづらいので例を挙げます。先程貼った画像のキーワードを配られた白チームの代表者が「1, 2, 4」の順番カードを見たとします。代表者はそれぞれを連想させるヒントとして、「キーボード=押す」「冷蔵庫=開く」「秋=芋」と言い換えました。

白チームメンバーは代表者以外で話し合い、見事「1, 2, 4」を当てることができました。

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代表者からのヒントとその正解のメモ

 

その後も白チームは代表者と順番カードを替えながらヒントを伝えていきます。すると相手の黒チームには各数字に対するヒントの紐づきの情報がたまっていきます。そうしていく内に、新しく発表されたヒントがどの数字のものなのか何となくわかるようになります。
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黒チームが取った白チームのヒントのメモ。1と2は過去のヒントからキーワード自体を推測し、見事当てている。

 

これまでこのゲームの肝が敵チームにばれないようなヒントを出すことだという説明をしてきました。実はこのゲームではヒントを出すチームと当てるチームに別れているわけではなく、同じターンに両チームがヒントを考え、互いに互いのヒントから順番を当て合います。そして相手チームの順番を当てた場合「成功チップ」を、自チームの順番を外した場合「失敗チップ」を獲得します。このようにして先に自チームが「成功チップ」を二枚獲得するか、相手チームが「失敗チップ」を二枚獲得すると勝利となります。

 

最後に実際のプレイで使われたメモを載せてみます。先程から載せているメモと同じゲーム中のもので、黒チーム側が出したヒントです。例えばここに黒チームが、「踏む、歯、冬」とヒントを出してきたら、正解の順番はわかるでしょうか?またキーワードはなんとなく推測できるでしょうか?正解はこの記事の最後に載せます。

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黒チームヒントのメモ

 

ワード系、連想ゲーム系で有名なボードゲームとして「コードネーム」というゲームがあります。こちらはこちらで非常に楽しく優れた点がいくつもありますが、「デクリプト」では「コードネーム」の欠点と思われる所を補うような点がいくつかあります。

  • 代表者が与えられるキーワードは4つのみで、しかもそれぞれのワードを言い換えるだけなので考えることはシンプルです。
  • 相手チームのヒント発表時にもゲームに参加できます。
  • 同一ゲームの中で代表者を回せるので、チーム感が増しヒントの出し合いが白熱します。

キーワードそのものは当てなくてよいので、相手チームの順番推測の時には雰囲気でどれかを話し合うこととなり、これが独特の面白さを醸し出します。逆に代表者はあるキーワードを多角的に見て、雰囲気を掴まれないヒントを考えるのが程よい緊張感です。

とにかくワイワイできること請け合いのゲームです。ちょっとした仕掛けの付いた衝立てもゲーム開始を盛り上げてくれます。ぜひ遊んでみてください。


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黒チームのキーワード(1からリス、メキシコ、毛布、車)。先程のヒントの答は、「4, 1, 3(=車、リス、毛布)」です。

 

 

Decrypto Board Game

Decrypto Board Game

 

 

 

プレイ記『バルバロッサ』

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個性豊かな作品が並んだ中特に波紋を呼んだ作品がひとつ…

 

実際に粘土をこねて程よい難易度の作品を作るゲーム、『バルバロッサ』のプレイ記です。今回は私(赤)、ポーカーさん(青)、ざわさん(黄)、少食さん(緑)の四人でショートゲームルールをプレイ。

 

一人ずつ自分以外の作品を選び、三回のYES or NOクエスチョンの後正解を予想するルール。今回は2回目に当てられた作品、3回目に当てられた作品、そして5回目でも当てられなかった作品について、主なQ&Aと共に振り返っていきます。f:id:bo-doge-mu:20180902221649j:image

左から、3回目に当てられた、当てられなかった、2回目に当てられた作品

 

まずは2回目で当てられたざわさん(黄)の作品。

  • 遊ぶものですか? -はい
  • 乗り物ですか? -どちらともいえない

答:人生ゲーム

言われてみるとはっきりわかりますが、そこにたどり着くのが難しいタイプの良い作品でした。

 

続いて3回目に当てられた私(赤)の作品。

  • 食べ物ですか?-はい
  • 氷菓を含むものですか?-はい
  • 上の「にょろ」は食べられますか?-いいえ

答:パフェ

こちらはお題は簡単なものの作品の抽象度が高くちょうど良い質問数で当てて貰うことができました。

 

最後に5回目でも当てられなかった少食さん(緑)の作品。

  • 食べ物ですか?-はい
  • 山か平地であれば山にありますか?-はい
  • 茶色ですか?-はい
  • その作品はお題の一部ですか?-はい
  • それを鍋に入れますか?-はい

答:松茸

かなり前衛的な作品で、参加者の感性では力不足でした。松茸を鍋に入れるという贅沢な回答により正解から遠のいた感はありましたが、高得点と無得点が紙一重のゲーム性の中で産まれた良い攻め作品でした。

 

全体的にヤバい作品が出揃った回でとても楽しかったです。プレイする度に自分のセンスを磨きたくなる魅力的なパーティーゲームのプレイ記でした。

マルチジャンル・ホラーRPG インセイン(ネタバレなし)

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『マルチジャンル・ホラーRPG インセイン』

?人、?分(シナリオ次第)

魅力を三行で、

  • ホラー世界への没入感
  • 疑心暗鬼から生まれるドラマ
  • ステマチックで洗練されたルール

 

ホラーはボードゲーム界隈でも非常に人気のジャンルです。今回はその中でも、洗練されたルールの中でホラー世界への没入感を味わえるTRPG『インセイン』をご紹介します。

TRPGそのものについては過去の記事も参照して頂ければと思います。

「TRPG」って何?〜RPGの仲間です〜 - ボードゲームって素晴らしい

 

『インセイン』では各プレイヤーは「逢魔人」と呼ばれるキャラクターを作成し、演じることでホラーの世界で自分の目的を達成することを目指します。この「逢魔人」とはなぜか怪異に引き寄せられる運命の持ち主のことで、決して怪物や魔法使いや忍者などの特殊な者達ではありません。キャラクターが生身の人間であることで、現実の世界でも想像できるようなじわじわとした恐怖が味わえるのです。

『インセイン』の最大の特徴は「秘密」と呼ばれるシステムです。各プレイヤーは最初に今回演じるキャラクターが今回のシナリオでどんな目的を持って動くべきかが書かれた「ハンドアウト」と呼ばれる紙をGMから渡されます。これは全プレイヤーに公開され、「使命」と呼ばれます。一方でハンドアウトには裏面があり、この面はそのキャラを演じるプレイヤーだけが見ることができます。裏面にはそのキャラが持つ意外な一面や裏の顔が書かれています。また表の使命は嘘で、裏に「本当の使命」が書かれていることもあります。この裏面を「秘密」と呼びます。

例を挙げてみましょう。

「使命」(表面)=「あなたはコックだ。あなたの使命は料理を他のキャラクターに食べてもらうことだ。」

「秘密」(裏面)=「あなたは人肉の美味しさに憑りつかれている。あなたの本当の使命は他のキャラクターの肉をそれ以外のキャラクターに食べさせることだ。」

このようなハンドアウトが全員に配られるので、他のキャラの真の目的は何なのか、誰が敵で誰が味方なのか、疑心暗鬼しながら各自の使命達成に向かってシナリオを進めていくことになります。

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「使命」と「秘密」。シナリオによって様々なことが書かれている。

 

では次はどのようにキャラを行動させ、シナリオを進めていくかという話に移ります。各プレイヤーはシナリオを開始する前に、自分自身が演じるキャラクターの特徴を決めていきます。基本的には人間ですので、年齢や性別、職業、性格などを自分の好きなように決めていきます。そしてここにゲーム性をもたらすルールが、「特技」と呼ばれるものです。シナリオ中にキャラに何か行動をさせたいとき、『インセイン』では六面サイコロを二つ振ってその合計値の大小で行動が成功するか失敗するかを決めます。このとき、その行動についてどんな「特技」で判定するかを宣言します。

例を挙げます。

私は自分が演じるキャラに、他のキャラクターの「秘密」を探らせたいと考えています。ここで次のようにキャラクターを演じます。

「お前の命が惜しければ、秘密を吐くんだな!」

そしてこのロールプレイに近い「特技」として、「脅す」というものがあります。

私のキャラが「脅す」の特技を持っていた場合、二つのサイコロが合計5以上であれば成功、判定をされたキャラを演じるプレイヤーは自分の「秘密」を私に見せなければなりません。

 

使える「特技」は一覧表になっていて、最初に4つの特技を習得しておきます。判定時には判定に使おうとする特技と、自分が持っている特技の距離が一覧表の中で近いほど成功しやすくなります。
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 特技表。判定に使うというゲーム上の役割の他に、演じるキャラの人間性の肉付けができることでより明確な人物像を作り上げてくれる。

 

 そしてもう一つの世界観を盛り上げる要素が、「狂気」カードです。キャラクターはシナリオ中霊的な存在やヤバイ人間など様々な恐怖と対面します。シナリオ中に現れるこれらの存在も、基本的にはキャラクターと同様「使命」と「秘密」を持っており、それらの文面中に「恐怖判定」という文言が入っていた場合、プレイヤーは指定された特技で判定をしなければなりません。ここで判定に失敗すると、「狂気」を一枚獲得してしまいます。「狂気」は獲得しただけでは何も起こしませんが、「トリガー」と呼ばれる条件を満たしたときその「狂気」を表にして効果を発動しなければなりません。このトリガーと効果は様々で、無差別にダメージを与えたり、自分の行動が制限されたりします。ある「狂気」の発動によって他のキャラの「狂気」も発動するようなことも起こり、まさにホラーの世界での恐怖の連鎖が上手くゲーム上のルールとして落とし込まれています。

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 「狂気」の例。「顕在化」とは狂気が表になること。「PC」とはキャラのこと。

 

続いてもう少しだけ詳細に、シナリオ中に何ができるかを述べていきます。できることはいくつかあるのですが、メインとなるのは「調査判定」と呼ばれる行動です。この判定では、先ほどのように特技を指定し成功すると、他キャラの「秘密」や、周辺情報に関する「秘密」を知ることができます。このときどれだけ状況にあった自然なロールプレイをして、納得感のある特技での判定ができるかどうかが、このゲームの最も面白い点であり腕の見せ所です。つまりこのゲームでは勝敗や使命の達成はもちろん重要ですが、それよりも自分が世界観に溶け込み、みんなで楽しんでキャラ同士がいきいきと繋がり合うことを目指すとより魅力が味わえると思います。
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 シナリオ中にできること。詳細はルールブックを買うべし!

 

またこのゲームはRPGですから、当然「戦闘」も存在します。戦闘では最初に「プロット」と呼ばれる行動順を決めるルールがあります。プロットでは、戦闘中の全キャラが同時に1から6までの数字をサイコロで示し、大きい出目のキャラから行動します。ただし行動順が早いほど、自分が攻撃を受けたときに使える「回避判定」が難しくなります。この攻めるか逃げるかの読みあいも、このゲームの熱いポイントの一つです。

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プロット表

 

最後にこれまで述べてきた調査や戦闘をサポートするような要素について説明したいと思います。最初にキャラクターを作成する際、4つの特技の他に2つの「アビリティ」というものも習得します。この「アビリティ」には調査を助けるものから戦闘で攻撃の威力を上げるもの、範囲を広げるものなど様々なものが存在します。

このような「特技」「アビリティ」を例えばゲーム上で強そうだからという理由で最初に決めたとしても、それらの名前や内容からキャラクターの特徴が浮かび上がり自然とロールプレイがしやすくなります。また逆にこういうキャラがやりたいという方向からキャラを作ってゲーム中での強さを気にせず「特技」「アビリティ」を選んだとしても、致命的に不利になるような内容はありません。このようにこのゲームを全く知らずに好きにキャラを作った場合でも、洗練されたルールがゲームを楽しくしてくれるのが魅力です。
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アビリティの一部

 

 今回の記事では書ききれなかったような細かいルールもたくさんありますが、そのどれもがホラー世界への没入感を高められるように作られており非常に洗練されたTRPGだと思います。あなたもきっと「秘密」の虜になることでしょう。

 

 

 



 

「TRPG」って何?〜RPGの仲間です〜

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出展元:海野まなこ 様「ゆるるふの呼び声」

 

TRPG」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?クトゥルフ、なんて単語を耳にしたことがある方もいるかもしれません。これもTRPGに関係する単語です。

今回はボードゲームを少し離れて、より大きくアナログゲームの1つであるTRPGについてご紹介します。

 

TRPGって?

TRPG」とは「テーブルトークRPG」の略です。「RPG」は皆様お馴染みの「ロールプレイングゲーム」のことです。RPGと言われると、ぱっと思い付くのは「ドラクエ」「FF」などのテレビゲームかと思われます。そもそもRPGはその名の通り、役割(ロール)を演じる(プレイ)するゲームです。テレビゲームではプレイヤーがゲーム内のキャラクターを操作することで、勇者などの役割を演じます。この役割を画面越しのキャラではなく、自分自身がアナログで演じるゲームこそが、「TRPGなのです!

 

 

とはいえ、演じると言われても何が面白いのかわからないでしょう。続いてTRPGの魅力をご紹介します。

 

TRPGの魅力

  • キャラになりきるのが楽しい

「演じる」というと大変そうに聞こえますが、自分のなりたい、なりきりやすいキャラクターになりきってみると、意外に段々と物語の世界観に引き込まれキャラに愛着もわいてきます。

  •  色んな世界観が楽しい

一口にTRPGといってもファンタジーや忍者の世界、ホラーなど様々な世界観の物語が存在します。これはテレビゲームのRPGの種類が様々あるのと同じです。TRPGではより自分自身がその世界に入り込んだ感覚が味わえます。

  • 物語を紡ぐのが楽しい

TRPGではテレビゲームと同様に、ある決まったシナリオが存在し、その流れの中で様々な調査や戦闘をしてよりよいエンディングを目指していきます。TRPGのシナリオはそのアナログ性を活かし、プレイヤー自身の発言や行動によってエンディングが大きく変わるものが多く、自分たちの手で柔軟に物語が変化し紡ぎだされていきます。

 

 

ここまで読んで頂くと、ふと疑問に思うことがあるかもしれません。テレビゲームでは自分がコマンドを入力することで物語が進んでいく。しかしTRPGではキャラになりきるばかりで物語なんか進みようがないじゃないかと。そうです、TRPGではコンピュータではなく人間が司会役となり物語を進行させていくのです。最後に、TRPGの進め方と遊ぶのに必要なものをご紹介します。

 

TRPGの遊び方

  • 役割分担

基本的にTRPGでは、物語の全容を知りゲームの進行役を務める「GMゲームマスター)」と、キャラを演じる「プレイヤー」に分かれます。通常GMは1人で、プレイヤー人数はシナリオ毎に指定されます。

  • 必要なもの

   1. ルールブック

これには多くの種類があり、各ゲームにおける世界観や、調査や戦闘に関わるルールが描かれています。本としてボードゲームショップや通販で手に入れることができます。テレビゲームで言う「説明書」で、基本的には一つあれば大勢で遊べます。

 2. シナリオ

テレビゲームを買う場合、あるゲームを買うと「ソフト」も付いてきて、コンピュータが物語に沿って、ルールに従って処理をしてくれます。TRPGでは物語が書かれた「シナリオ」を別に用意し、それをGMが読んでプレイヤーの行動を正しく処理することで物語が進んでいきます。ルールブックの中にサンプルシナリオが載っていたり、ネット上で同人的につくられたものが公開されていたりします。

   3. サイコロ

例えば戦闘である技が相手に当たるかどうかに関して、テレビゲームではコンピュータがランダムに判定し処理します。TRPGでは「サイコロ」を使った出目の大小でその処理の成功、不成功を決めることが多いです。このサイコロの判定が、運だけのはずなのに何故かドキドキ楽しい。「サイコロなんて家にない…」という人でも、web上でサイコロを振れるサイトもあります。

cthuwebdice.session.jp  

4. 遊んでくれる仲間

最後に、TRPGは決して一人ではできません。友達にTRPGができる人がいれば、それは最高の友人です。教えてもらいましょう。周りで誰もやったことがなければ、自分がGMとして友達に布教しましょう。プレイ動画なども多く上がっているので、まずは動画で勉強するのも手です。また、オンラインでのプレイを募集しているようなサイトもあります。

 

 

TRPGボードゲームに比べると世界観やルールへの深い理解が必要となり、プレイの最初のハードルはより高いかもしれません。ただその分、世界へ入り込み自分のキャラクターを活き活きと動かせたときの高揚感はTRPGでしか味わえない素晴らしいものです。まずはとにかくTRPGと検索して動画を見ると雰囲気がわかると思います。ぜひ、素晴らしきTRPGの世界に足を踏み入れてみましょう。

 

実はめっちゃ面白いクトゥルフ神話TRPG - ニコニコ動画

 

クトゥルフ神話 TRPG (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

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忍術バトルRPGシノビガミ基本ルールブック (Role&Roll RPGシリーズ)

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プレイ記『ローランド』

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最後に堤防は決壊したが、果たして最終得点は…?

 

以前レビュー記事を書かせていただいた『ローランド』について、今回は過去のプレイを振りかえってみたいと思います。

 

私、ペンギンさん、麻呂さん、銀行さんでプレイ。

序盤は全員手持ちの資材に合わせて建物を建てる展開。

私が「建物を建てると追加で堤防アクション」

ペンギンさんが「羊4頭飼える」

麻呂さんが「柵を建てると無料で追加の一本」

銀行さんが「周囲の放牧地に羊2頭飼える」の建物を建て、序盤は基本的にそれぞれの建物効果を中心に戦略を立てていきました。

 

堤防系の建物の私、堤防アクションを追加する建物を買った銀行さんが序盤から堤防アクションを選択したのと、波の数が小さかったため二回連続で堤防が決壊せず。中盤以降は羊の価値と需要が急上昇しました。

そんな中先んじて羊を売り出したのがペンギンさん。併せてお金で点数が生まれる高潮建物を購入。私も羊需要に乗り遅れないようにと、羊を増やせる高潮建物を購入。

 

以降価値の低い堤防アクションを選びづらい状況のため、スタPを維持し続ける私。羊市場を支配していきます。一方堤防で出遅れていた麻呂さんはそちらを諦め堤防決壊トークンをなかったことにできる高潮建物を購入。

堤防アクションを得意とした私と銀行さんも合わせて、決壊した方が得なプレイヤーが3人となり最後は決壊。ペンギンさんの羊が2匹流されゲーム終了。

 

結果は堤防ポイント、羊の数共に2番手の私が勝利。6ラウンド全てでスタPを取って羊市場で自由だったこと、羊高潮建物をタイミングよく買えたこと、最後に堤防決壊派が多数になったことが大きな要因だったかなと思います。

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私の最終盤面。堤防系建物2つと羊系建物2つでバランスよく出来た。

 

最終的には、

堤防リードを活かして全体にバランスよく進められた私

羊を建物で飼い柵を一本も建てず資源をやりくりしたペンギンさん

いち早く建物と柵を作りきり豊富な資材で農場の全マスを使った麻呂さん

建物で羊を飼う効率を上げながら最後は堤防で一位にもなった銀行さん

と、各々の個性ある戦略が見られたナイスゲームでした。

どの建物も決定的にゲーム全体の戦略を縛るほどの強さはなく、ゲーム中に変化する相場と合わせて戦略を変更でき、変更する必要がある点が、このゲームの特徴であり魅力だと思います。また建物の出方やプレイヤーのプレイ傾向によって展開は毎回大きく異なるので、何度でも楽しめるゲームです。

早くも次のプレイが待ち遠しく思います。

パニックマンション


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『パニックマンション』

2-4人、20分

魅力を三行で、

  • 超シンプルなルール
  • 騒いで楽しめるアクション性
  • ついやり続けてしまう中毒性

 

ここはいわくつきのマンション。住民からはオバケやら目玉やらの目撃情報が絶えません。噂によると、ある部屋に特定のアイテムを集めることでこの呪いが解けるらしいのですが…

このゲームはアクションゲームです。各プレイヤーは箱を一つ渡されます。この箱は中が8部屋に区切られているマンションです。そして中にはオバケやら目玉やら色んなものが入っています。

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色々いるやばいマンション

 

箱の中には形や素材の異なる6種類のアイテムが入っています。
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 目玉は転がりやすく、クモはビニール製で滑りにくい

 

ゲーム開始時には誰か一人が8色のカードの内一枚をめくります。めくられた裏には先ほどのアイテムの内いくつかが描かれています。
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 カードの表と裏

 

このカードの表は「部屋」を、裏は「集めるべきアイテム」を表しています。

カードがめくられた瞬間、プレイヤーは箱を手に取りカードに示された部屋に集めるべきアイテムを過不足なく入れることを目指します。このとき、アイテムに触れてはいけません。つまり、箱を傾けたり揺らしたりしてアイテムを移動させます。描かれていないアイテムは指定された部屋以外ならどの部屋にあっても構いません。

そして指示を達成した瞬間、「パニックマンション!!」と叫んでください。合っていればカードを獲得、5枚集めると勝利です。
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パニックマンション!!

 

小学生でもできる簡単なルールながら、大人でも童心に帰って夢中で叫んでしまう作品です。目玉は入れたと思ったら出ていくし、クモはなかなか来ないし、ヘビはめちゃくちゃ邪魔です。ワイワイしながらできるお手軽ゲームなので、重いボードゲーム疲れを癒すのに最適です。

ちなみに今回ご紹介したルールは少し難しめのルールで、選択ルールにはアイテムの数を減らしたルール等もあるので、より家族などで和やかにやるのにもピッタリなゲームです。

ぜひパニックに陥ってみてください。

 

 

クマ牧場

 

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『クマ牧場』

2-4人、60分

魅力を三行で、

  • ライトなプレイ感
  • 程良く頭を使うパズル
  • かわいい絵柄

 

世は空前のクマ牧場ブーム。あなたは競争激しいクマ牧場デザイナーの一人として競合相手に負けない魅力的な牧場を作りましょう。(公式設定ではありません。)

ゲーム開始時には共通の場に様々な色や形をしたタイルが種類ごとに並べられます。また各プレイヤーに4×4マスからなる「用地ボード」が配られます。さらに一枚目のタイルとして、クマの絵が描かれていない「緑地タイル」を一枚ずつ獲得します。

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様々なタイル

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用地ボード

 

各プレイヤーは自分の手番が来たら手元のタイル一枚を自分の用地ボードに置きます。

そしてそのとき用地ボード上の絵が描かれているマスを埋めた場合、埋めた絵に応じたタイルを獲得します。一枚のタイル配置で複数の絵が隠れた場合、全ての絵の分のタイルを獲得できます。数字が書かれているタイルを配置すると、最後にそれがそのまま点数になります。

タイルが獲得できる絵には「緑の手押し車」、「白いミキサー車」、「オレンジのショベルカー」があり、強そうな車ほど点の高いタイルを得られます。また、タイルは基本的に最初7点ですが、取られていくと同じ種類のものは点数が1点ずつ低くなっていきます。さらにオレンジのショベルカーでとれる大きなタイルは先着1名様限りです。

また「建設作業員」の絵を埋めると、新たな「用地ボード」を獲得できます。

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この場合「建設作業員」と「緑の手押し車」が隠された。

 

このようにして一人ずつタイル配置→タイル獲得or用地拡大を繰り返すのですが、2枚目以降に配置するタイルは、既に配置済みのタイルと最低一辺が隣接する必要があります。取れるタイルの形は様々ですので、ここに若干のパズル要素があります。

また「用地ボード」上の、穴の周りに八角形の赤白の柵が描かれたマスにはタイルが重なってはいけません。このマスはパズル要素を高める他に、ボーナスポイントである「クマの像」を配置するスペースとしての役割を果たします。一枚の「用地ボード」が穴のマス以外全て埋まったとき、「クマの像チップ」を獲得し穴のマスに配置します。このチップも最初16点から、取られるごとに1点ずつ減っていきます。
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穴以外の15マスが埋まった用地ボードが一枚できた。すると…

 

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 クマの像チップを獲得!

 

つまりこのゲームは、「どのように絵を埋めていくか」と、「どうしたら効率良く用地を埋められるか」を考えながらタイル配置と獲得を繰り返していくパズルゲームということになります。こう書くと難しそうですが、気楽に配置しててもなんとかなります。

最終的に誰かが4枚の「用地ボード」を埋めきったらゲーム終了です。全タイルとクマの像チップの数字を足した数が最終的な点数です。

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自分だけのクマ牧場を作ろう!

 

手番でやることは非常にシンプルですが、タイルの配置は程よい頭の体操になります。最終的に自分の牧場が出来上がるので、個性あるクマ牧場を見て勝ち負けに関わらず充実感を得られます。

また上級者ルールとして、ある条件を満たさすとボーナスポイントが入るタイルもゲームに組み込めます。「白ミキサー車で得られる全種類のクマを配置する」「1枚の配置で同時に二枚以上のクマの像チップを得る」など、タイル獲得や配置に更にゲーム性を能えてくれます。ボードゲームに慣れている方はこちらを最初から採用しても良いでしょう。

あなたも自分だけのクマ牧場を作って、ニヤニヤしてみてはいかがでしょうか。

 

クマ牧場 日本語版

クマ牧場 日本語版